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大井川 宏之; 辻本 和文; 菊地 賢司; 倉田 有司; 佐々 敏信; 梅野 誠*; 西原 健司; 斎藤 滋; 水本 元治; 高野 秀機*; et al.
Proceedings of 4th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.325 - 334, 2005/11
原研は、マイナーアクチニド(MA)の効果的な核変換を目的とした加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を進めている。原研が提案するADSは、熱出力800MWの鉛ビスマス冷却タンク型未臨界炉でMAとプルトニウムを混合した窒化物燃料を装荷する。鉛ビスマスは入射陽子ビームによる核破砕反応で中性子を発生させるターゲットとしても使用される。本研究では、ビーム窓周辺の設計に焦点を絞ったADSの成立性について検討した。ホットスポット燃料ピンの冷却性確保のために、ターゲット領域とダクトレス燃料集合体の間に隔壁を設けた設計とした。また、ビーム窓の冷却を効果的に行うように、流調ノズルを設けた。熱流動解析の結果、最大ビーム出力30MW時においても、ビーム窓の外表面最高温度を摂氏500度以下に抑制できることがわかった。外圧とビーム窓内の温度分布の結果生じる応力も、許容制限値以下となった。
寺奥 拓史*; 寺田 敦彦*; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 神永 雅紀; 石倉 修一*; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2003-026, 77 Pages, 2003/03
原研とKEKが共同で推進している大強度陽子加速器計画(J-PARK)では、物質・生命科学研究の展開を図るため、1-MWの核破砕中性子源を建設する。陽子ビームは陽子ビーム窓を通過し、中性子源ターゲットに入射する。この陽子ビーム窓は、陽子ビームラインの高真空領域とターゲットやモデレータを格納しているヘリウムベッセル内のほぼ大気圧のヘリウム雰囲気との境界壁となる。陽子ビームとの反応で窓材料は高密度の熱を発生するため、陽子ビーム窓は軽水で冷却される。したがって、過大な熱応力や冷却水沸騰の要因となるホットスポットが発生しないように窓部における均一な流量配分を実現し、冷却水の内圧応力や発熱による熱応力に対する十分な構造強度を満足する必要がある。本報では、製作性に優れた平板型構造及び応力的に有利な曲面型構造の陽子ビーム窓を提案し、設計検討の一環として構造強度評価及び熱流動解析評価を行った。その結果、窓部では均一な冷却水の流動により十分な除熱性能が確保でき、また内部の冷却水圧力による応力及び熱応力を許容応力値以下に抑えることができたため、現設計で陽子ビーム窓として成立することを確認した。
久語 輝彦; 中川 正幸
JAERI-Data/Code 2000-004, p.97 - 0, 2000/02
原子炉炉心設計において多用されるパラメータサーベイによる設計作業を支援するシステムを開発した。本システムにより、設計ウィンドウ、すなわち設計基準や要求仕様を満足する設計変数の範囲を多次元空間において効率的に得ることができる。本方法の原理は、解析コードにより得られた教師信号を階層型ニューラルネットワークに学習させ、それを解析コードの代わりに用いることによって計算時間の短縮を図るというものである。本システムはワークステーション上で稼動し、利用者が容易に入出力処理を行うためのマンマシンインターフェースを充実させた。本報告書は、手法の原理、システム構成、システム使用方法、ニューラルネットワークの学習方法、解析計算に必要な入力変数等を解説したユーザマニュアルである。
神永 雅紀; 木下 秀孝; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 数土 幸夫
Proceedings of International Workshop on Current Status and Future Directions in Boiling Heat Transfer and Two-Phase Flow, p.135 - 141, 2000/00
原研では生命・物質科学等の先端分野の研究に中性子を利用するために最高出力5MWの大強度陽子加速器を用いた核破砕中性子源の開発を進めている。核破砕ターゲットは、水銀ターゲットをメインに固体ターゲットを出力2.5MWまでのバックアップとしている。固体ターゲットで発生した熱は、重金属製のターゲット板間の並列矩形流路群に重水を流して冷却する。固体ターゲット設計では、安定した流量配分と冷却材保有量を最小とするため、微小突起を用いた熱伝達促進手法を採用している。熱水力設計においては、設計の限界を把握するために限界熱流束(CHF)データが必要であるが、本設計で採用した特殊な流路形状に対してはデータがないのが現状である。このため微小矩形突起付き矩形流路を用いたCHF実験を実施し、既存の突起無し流路におけるCHF相関式と比較検討した。その結果、板状燃料使用する研究炉の設計用に開発されたCHF相関式が適用できる見通しを得た。
久語 輝彦; 中川 正幸
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(4), p.332 - 343, 1999/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)原子炉設計では、設計変数の最適な値を決定するため、多数回のパラメータサーベイ計算を要し、通常、多大な計算時間が費やされる。この作業を支援するため、設計窓、すなわち設計基準や要求仕様を満足する設計変数の範囲を多次元空間において効率的に得る手法を開発し、核及び熱水力設計分野に応用した。本方法の原理は、解析コードにより得られた教師信号を階層型ニューラルネットワークに学習させ、それを解析コードの代わりに用いることによって計算時間の短縮を図るというものである。本手法を高転換型水炉の設計に適用し、ネットワーク構造及び教師データ個数が設計窓の推定精度に与える影響を調べ、本手法の原子炉炉心設計における信頼性及び有効性を評価した。その結果、必要に応じて4層構造を用いて過学習を避ければ、安定的に精度よく設計窓を決定できることを示した。
久語 輝彦; 中川 正幸
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.704 - 711, 1998/00
原子炉炉心設計においては、基本的な設計変数の最適な値を決定するため、通常、多数回のパラメータサーベイ計算を要する。この作業を支援するため、設計窓、すなわち設計基準や要求仕様を満足する設計変数の範囲を多次元空間において効率的に得る手法を開発し、核設計分野に応用した。本方法の原理は、解析コードにより得られた教師信号を階層型ニューラルネットワークに学習させ、それを解析コードの代わりに用いることによって計算時間の短縮を図るというものである。本研究では、ネットワーク構造及び教師データ個数が設計窓の推定精度に与える影響を調査し、本手法の信頼性・有効性を評価した。その高転換型重水炉の設計に適用した結果から、学習パラメータを適切に調整すれば、本手法は安定的に精度よく設計ウィンドウを決定できることを示した。
久語 輝彦; 中川 正幸; 土橋 敬一郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(8), p.760 - 770, 1997/08
被引用回数:2 パーセンタイル:23.01(Nuclear Science & Technology)核及び熱流力分野の炉心解析計算を伴う新型原子炉の炉心概念設計を支援する知的原子炉設計システムIRDSを開発した。本システムは以下のような特徴を持っている。1)定常及び燃焼問題に関する種々の設計タスクを網羅するため種々の計算コードを組み込んでいる。2)組みこまれた全ての計算コードに必要となる全ての情報をデータベースに一元管理している。3)非専門家にとっても容易に設計プロセスを進めることができるよう、数種のデータベース及び知識ベースが参照される。4)対話形式ノウラフィカルユーザーインターフェースを通じて、システムとコミュニケーションをとるマンマシンインターフェースを備えている。5)最適化・満足化プロセスを支援するため、設計要求や設計許容規準を満足する設計パラメータの範囲で定義される設計窓を自動的に探索する機能を組み込んでいる。本システムを新型高速炉炉心の燃料ピン設計に適用し、その実用性を示した。
久語 輝彦; 中川 正幸
PHYSOR 96: Int. Conf. on the Physics of Reactors, 1, p.B73 - B81, 1996/00
原子炉炉心設計では基本的な設計変数の最適な組み合わせを決定するために、従来多大な計算時間と手間を要して、パラメトリックサーベイ計算を繰り返すという手法がよくとられている。この作業を直接支援するために、多数の設計変数に対して効率よく設計ウィンドウを推定する手法を階層型ニューラルネットワークを用いて開発した。本手法は、設計変数から炉心特性値を推定するニューラルネットワークを構築し、解析コードの実行により得られた設計変数と炉心特性値の組の複数個を教師データとしてそのニューラルネットワークに学習させ、学習済み階層型ニューラルネットワークより、未知の設計変数の組み合わせに対しても短時間で適当な炉心特性値を推定させるという手法である。本手法を燃料ピン設計を対象に核及び熱水力設計分野に応用した。高転換軽水炉の設計に適用し、本手法の有効性を確かめた。
久語 輝彦; 中川 正幸
Transactions of the American Nuclear Society, 73, p.207 - 208, 1995/00
知的システムIRDSは、種々の解析コード、データベース及びマンマシンインターフェイスを備えて、効率的に原子炉炉心の概念設計を支援する。モデル構築、タスク実効、設計評価、設計案修正といった設計プロセスをマンマシンインターフェイスを通して、会話的に進めることができる。種々のデータベース、知識ベースにより、効率的に設計作業を進めることができる。概念設計の目的である設計パラメータの最適化を直接支援するために、設計が成立する設計変数の範囲(設計ウィンドウ)を自動的に探索する機能を備えている。2変数に対する設計ウィンドウ探索では、境界探査法を用いる。また、多次元空間における(多設計変数に対する)設計ウィンドウ探索では、計算時間の短縮のため、炉心特性の推定するニューラルネットワークを利用している。IRDSは、炉心設計に関わる種々の設計作業を支援する知的計算機環境を設計者に提供する。
久語 輝彦; 藤井 貞夫*; 中川 正幸
JAERI-Data/Code 94-001, 187 Pages, 1994/08
新型炉炉心の概念設計の支援を目的として、簡便かつ効率的に熱流力分野の設計及び評価のできる炉心熱流力設計モジュールを開発した。本モジュールは知的原子炉設計システムIRDSに組み込まれる。利点として、各種の炉型が扱えること、炉型や設計内容に応じて4つの熱流力・燃料挙動解析コードを内蔵していること、概念の変更に柔軟に対応できること、容易に結果の判断ができるように分かりやすい形式で結果を提示できること等の機能を有している。本モジュールは、エンジニアリングワークステーション上での実行を前提とし、入出力処理に関するマンマシンインターフェースを充実させている。更に、効率的な設計支援を目的として、知識工学的手法を用いて、任意の2設計変数に関する設計成立範囲(設計ウィンドウ)探索機能を内蔵している。本報告書は、モジュールの構成、操作方法、解析に必要な入力変数の解説等を記したものである。